カリスマ美容外科医(らしい)の娘の女子大生が誘拐された後、無事保護された事件は、早朝のテレビから大騒ぎでしたから経緯は省略しますが、そもそも身代金目的誘拐なんて成功率ゼロ、杜撰な犯行だったせいもあり、スピード解決だったのですが、どうも細かい報道をみると、紙一重の部分がかなりあったように思います。
まず、拉致現場を目撃した人がナンバーまで覚えていたこと。これはホントに表彰モノでしょう。もし目撃者がいなかったり、ナンバーを見ていなかったとすれば、もっと時間がかかったでしょうね。
また、川崎で車を発見してから、160kmも追跡したそうですが、神奈川県警との連携はスムーズにいったんですかね。町田あたりの都県境をフラフラ行ったり来たりしてたらさらに混乱したかもしれません。
何といっても、人質救出専門という捜査陣が、監禁場所とは隣のマンションの全く無関係の部屋に「突入」していたというのは、結果がよかったから、あまり言われていませんが、大失態ですよね。情報の連携が上手くいってなかったのでしょう。これが、もっと近くで犯人に感づかれるようなことがあったり、無関係の人に怪我でもさせるようなことがあったら・・・。
そんなこともあって、あわてたわけでは無いでしょうが、「本物」の監禁場所に突入した際に犯人が発砲し、捜査員のこめかみをかすめて軽傷を負ったということです。これも、一つ間違えば殉職者が出てたかもしれませんからね。防弾チョッキは誰も身に付けていなかったといいます。杜撰な犯人ゆえの「油断」ではないでしょうが、犯人は拳銃強盗で逮捕状まで出ている男で、まだ残弾が3発あったそうですから、これもヒヤリですね。
しかしマスメディアも、今回は携帯でのやり取りが決めてなんて報道してますけど、そこまで報道する必要あるのですかね、今後の類似犯は、まず携帯を破壊もしくは電源を切らせるようにするでしょうから、解決の手がかりが減ることになるんじゃないかと心配になります。
警察の尽力で早期解決にはなりましたが、お粗末な犯人が起こした事件で、捜査する側にこのような「インシデント」があったのは、成功のときだからこそ、教訓としてきっちり検証していただきたいものです。